

でいずのだいずができるまで
おいしいだいずをつくりましょう
#013 / 神奈川県南足柄市
TEXT & PHOTO / JUNYA KATO(DAYZ.編集長)
梅雨ということで天気が心配でしたが、晴れときどきくもり。雲ひとつない晴れであれば景色はきれいだけれど、畑作業はちょっとたいへん。くもりくらいがちょうどいいんです。
今回の農業体験は「除草」でした。ようは草むしり。少し地味な作業に思えますが、じつはこの作業がとても重要です。おいしい枝豆やおいしいだいずにちゃんと栄養が届くように、だいずのまわりの草をしっかり取り除くのです。
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草むしりだけではちょっとつまらなそうな気がするので、畑のオーナーでもあるペンションまつがの鈴木さんと相談して、耕うん機を入れてもらうことにしました。耕うん機は、土を耕すこともできますが、だいずとだいずの間を走らせるだけで除草もできる機械です。耕うん機の登場でみんな大喜び。もちろん、経験者でもある鈴木さんが耕うん機を走らせるのではなく、鈴木さんに指導いただいて、みんなが交代交代に走らせます。そして、鈴木さんに教えてもらった誰かが、つぎの誰かに教えていきます。
3種類の個性的なだいずたち
それぞれの特徴とそれぞれのおいしさ
先日蒔いただいずは3種類。2年前にみんなで育てた DAYZ. のだいず(名前はまだない)。それと、香りがとてもよい山形産の「秘伝豆」。甘さが特徴の「タチナガハ」です。少し成長したタチナガハは上品な印象。葉も細く少し頼りない感じもしますが、繊細なおいしさが期待できます。それと対照的なのが秘伝豆です。葉っぱもしっかりしています。緑も濃くて、どっしりと育っています。1カ所につき3粒ほど蒔いたのですが、場所によっては3粒とも芽をだしています。反面、残念ながら2年前の DAYZ. のだいずは、2年前の種ということもあって発芽率はいまいち。100蒔いて20くらい芽が出たような気がします。でも、こんなダメ息子がとっても愛しいんです。
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ぼくらなりのやり方で
いちばんおいしいだいずをつくる
ただ、DAYZ. のだいずは、香りもよく、甘みもあるとてもよいだいずなので、ぜったいに諦めません。ですから、DAYZ. のだいずの芽が出ていないところは、前回、種まき体験に来れなかった参加者のみなさんに改めて蒔いていただきました。ほかの状態のいいだいずを追加で取り寄せて蒔いてもよかったのだけれど、おととし食べたあの味をみんなにどうしても味わってほしく、3粒じゃあダメなら4粒だ、と、前回よりも気持ちを込めましょう、と。プロの農家の方は笑うかもしれませんが、ぼくらなりのやり方でいきます。きっと芽が出る気がしています。枝豆で食べても本当においしいんです。いままで食べた枝豆でいちばんおいしいと言ってくれたひとがいたんですから。
手を抜くと抜いた分だけ
そのまま返ってきてしまう
耕うん機は、だいずの株と株のあいだを走ります。耕うん機の大きさを事前に計算し、その分、あけておいたんです。おととしは、その計算をサボってしまったので、機械を入れれず、すべて手でやったんです(あれは辛かったなあ)。
耕うん機が背の低い雑草で緑色になった畑を、茶色の畑に塗り替えていきます。草をかきわけ、土をかきわけ、かきわけられた土は、株元に積まれていくので、だいずの芽は、盛られた土のおかげでよりしっかりと立ちます。なんて便利な機械。だいずの芽を倒さないようにまっすぐ走らせるのは意外と大変で、誰でもできるかんたんな機械に見えて、これはこれで向き不向きがあるようです。
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恵の雨が降って
恵のアイスを食べて
作業は後半に差し掛かる頃、ぽつぽつと雨が降り出しました。恵の雨のようなやさしい雨。肉体労働で火照った体を冷ますほどの。雨やどりはせずに作業を続けられるほどの。畑に着いたのが10時。そこからそれぞれ休憩を取りながら3時間。みんなお腹がペコペコ。鈴木さんが自家製のアイスクリームをごちそうしてくれるとのことで、
鈴木さんがオーナーを務めるペンションまつがまで。庭で、みんなでアイスクリームをいただきました。ちなみにペンションまつがの自家製アイスクリームやジャムは、南足柄の名物として、いろいろな場所で購入することができるんです。本当においしいので、ぜひ食べてほしい。
おいしいうどんと
樹齢数百年の森
おなかぺこぺこのみんなを連れて、南足柄の名店「万葉うどん」へ。古民家をそのままうどん屋さんにしたようなお店。神奈川よりももっともっと田舎にきてしまったような気分。湧き水で作るみずみずしいうどんや、万葉うどん名物の手作り唐辛子とお味噌でいただくおでんや、猪汁、きゃらぶきなんかをたっぷりいただきました。どにかく農作業終わりのビールは本当においしかった。
食事のあとは、南足柄の名所でもある『最乗寺』の参拝です。山の中で、自然と共存しながら佇む最乗寺。樹齢何百年なんていう樹に囲まれて、その自然や寺院をゆっくり眺めながら、みんなで散歩しました。
除草だけだとちょっと地味かなあなんて思って慌ててプランの中に取り組んだ最乗寺のさんぽも、そのあとにみんなで行った温泉も、みんなとっても大満足してくれたようです。よかった。最後は、地元の居酒屋「きんとき」で大宴会です(本当においしいので、いつも通ってまして、ぼくは南足柄の台所と呼んでいます)。神奈川県のブランドポークや、おいしいおいしいお刺身や、創作料理をコースで味わい、たくさんの地酒を飲んで帰ってきました。あっという間の1日。みんな口をそろえて今度は泊まりたいなあなんて言っていて、合宿もいいなあなんて思ったりするんです。
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おいしいだいずを
みんなでつくりましょう
次の除草は7月3日です。今回は農業体験イベントとしてのチケットの販売はありませんが、南足柄やこの畑に興味ある方、農作業に興味がある方は、お誘いさせていただきます。ご連絡くださいませ。
info@dayz.today(加藤)
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