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「選ぶ」とか「食べる」とか「伝える」とか「共有する」とか

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特集 特集

ぼくらが(だいずの畑へ)旅に出る理由 #01

「選ぶ」とか「食べる」とか「伝える」とか「共有する」とか

#016 / 神奈川県南足柄市矢倉沢

TEXT / JUNYA KATO(DAYZ.編集長), PHOTO / YOSHITOMO KUMAGAI

東京から約2時間。神奈川県の西に位置する南足柄市。町の70%近くが森林ということもあって、暮らしのすぐそばに豊かな自然があります。目の前にそびえる山の緑は季節問わず力強く、山から町へ流れるきれいな水は町全体を潤し、バスから降りた瞬間にみずみずしい空気に包まれるのを感じます。そんな名水の町・南足柄の里山の、中でも山や水田に囲まれた自然溢れる畑で、地元の方々の協力を得ながら、2016年より DAYZ. の『だいず』をみんなで育てています。では、なぜ『だいず』なのか。

しょうゆやみそ、とうふになっとう。日本の食文化として、毎日の暮らしの食卓にあたりまえのように並ぶ『だいず』です。DAYZ. の取材を通じて『だいず』に関わるたくさんのひとたちに出会っていくうちに、いつしかぼくらにとっての『あたりまえ』は実はあたりまえではなくて、それぞれの生産者の想いや努力、アイデア、そして歴史や文化に支えられているものだと気づくようになりました。

それは、あたりまえのことをあたりまえと思わず、なぜそれを選んだのか、どうやって作られているのか、そしてそれらがどこから来ているのか、考えるきっかけへとつながっていきました。頭で考えるだけじゃあなく、行動として、「選ぶ」とか「食べる」とか、「伝える」とか「共有する」とか、です。

選択肢に入らない、嫌悪感を感じる『モノ』や『コト』に対して NO を突きつけるような選択ではなく、あくまで選ぶことや共有することを『楽しむ』ような感じです。例えばレコード屋で目当てのレコードを探すみたいに、本屋で好きな作家の本を探してる時みたいに、気になる映画を恋人に進める時みたいな感じ。そんな選択の連続が、食べるものじゃあなくて、着るものや使うもの、毎日の日用品、政治に到るまでうんぬんといろいろなことにつながっていくと、もしかしたらぼくらの暮らしはちょっとずつよくなるんじゃないかって、そんな風に今は思っています。

頭ではわかってたこと
体が理解するということ

最初に畑をやろうと思った時の気分は、ちょうど、友達を誘って野外フェスに遊びに行こうっていうくらいの感じに似ています。いろいろな縁があったってこともあったけれど、たまたま畑を借りることができて(当時埼玉の神川町の畑を借りていました)、みんなで車に乗って普段着で。途中で軍手が必要なんじゃないかと誰かが言い出して、近くのコンビニで慌てて軍手を買うような、そのくらいのレベルだったけれど楽しかった。友達の何人かはギターを持って来てくれて、収穫を祈るかのように畑の上でライブをしたり(今年の種蒔きでも、アコースティックユニット MIZ がライブをやってくれます)。その後、地元の農家さんが作った野菜をいただいてのバーベキューもとてもおいしかった。自分で農作物を作ってみるという体験のあと、改めて自然の中で食べる野菜がこんなにおいしいだなんてと、感動したのを覚えています。頭ではわかっていたけれど、体が理解したという感じです。

選択肢があることを知れば
ぼくらはきっともっと楽しくなる

DAYZ. をはじめるまで『だいず』=『枝豆』だなんて知らなかったぼくが、いま、偉そうに毎年『だいず』の畑に通っている。畑の上で釜茹でして食べる採れたての『枝豆』はいままで食べた枝豆の中でも最高の思い出。誰かのアイデアで焼いた枝豆もおいしかった。味ではなくて(味ももちろん重要なんだけれど)『経験』という付加価値が、調味料となって思い出になる。これも頭ではわかっていたけれど、体で覚えたことのひとつと言えます。逆にいえば、何も考えずになんとなく口にしてきた今までの食事の時間、もったいなかったなあと思うほどです。もうすこしこの喜びを知っていれば。選択肢がたくさんあることを知っていれば、ぼくはもっと楽しかったし、からだの調子もよかったのかもしれないなあ(20代のぼくに教えてあげたい)と思ったのが、DAYZ. という情報発信と交流のためのメディアを立ち上げたきっかけとも言えます。もっとみんなと共有しあえればと思うばかりです。

1粒の種から増える『だいず』
おいしく食べて分け合って

食にこだわるひとにとっては、ここまでだいぶ当たり前の話をしているかもしれないけれど、ぼくにとってはひとつひとつの気づきがとても大切でした(30歳以降の人生を変えたと言っても過言ではない!)。そして、これも当たり前の話かもしれないけれど、1粒の『だいず』からたくさんのだいずが採れます。10粒100粒と、蒔く種の数が増えれば、もっともっとたくさんのだいずが採れます。たくさん採れればみんなで分け合えられます。分けあって、みんなでそのまま煮て食べてもいいし、加工してもいいし、どんどん食べて食べて、余った『だいず』はそれ自体が『種』ですから、来年またみんなで蒔けば、ずっとずっと『だいず』を増やして、分け合って、みんなでがんばって作ったぼくらの『だいず』の『種』をずっと守って行くことができます。みんなが『だいず』を選ばないから、農家さんも作っても分ける先がないからって、作るのを諦めてしまって消えてしまっただいずの品種も多いと聞きます。

選択することで循環する社会
すべては1粒の『だいず』から

ほかの産地の『だいず』はどんな味がするんだろうって食べ比べてみるのもいいかもしれません。これを機に産地や品種に注目して、しょうゆやみそ、とうふ、なっとうを買ってみてもいいかもしれません。いつもはスーパーで1丁80円くらいで買ってるとうふがあったとして、今日は町のとうふ屋さんで買ってみようとか。いつものしょうゆと違ったしょうゆでお刺身を食べてみようとか、自分で仕込んだおみそだからって、なんだか毎日のありきたりなお味噌汁がおいしく感じられるようになったり。そうやって選択していくことが、毎日の食卓を楽しくさせるだけじゃなく、それぞれのジャンルの職人さんたちや、ちいさな町の商店、そして生産者のひとたちを下支えすることにつながったりします。選択することで社会が活き活きと循環しはじめる。それが、おいしい『だいず』で暮らしをゆたかにするというコンセプトを掲げる理由です。すべては1粒の『だいず』からなんです。

さいごに

南足柄は平成の名水百選に選ばれるほど、水がゆたかできれいな町です。金太郎のふるさとでもあり、自然も力強い。

去年はこの畑で取れたみずみずしい枝豆を駅前の居酒屋さんに渡してお客さんに食べてもらったところ、それを食べた町の人が「この枝豆を来年も食べたい」「いつか町の名産にしたい」と、そんな風に言ってくれました。町のひとたちを招待して、収穫しただいずを使ったとうふづくりのワークショップを行なった際は、みんながそのおいしさに唸りました。『だいず』の畑で生まれた交流が、南足柄に暮らすひとたちも明るくする。いつしか町の老若男女さまざまなひとたちが畑の上でコミュニケーションする。だんだん耕作放棄地が再盛して行く。そんな社会になっていくといいなあと思いながら、でも畑の上でみんなと一緒に汗かいておいしいビールを飲めればそれでいいやっていうぼくもいながら、今年も『だいず』を育てるんです。

偉そうに長々とつらつらと失礼しました。

おしまい。

今年もだいずの畑がはじまります!

DAYZ.の農業体験 2018 #01『自然豊かな里山で大豆を蒔く』
with MIZ acoustic LIVE!

2018年6月3日(日)*雨天時は6月10日(日)
開催時間:11時〜15時(移動時間は含みません)
イベントの詳細・参加申し込みはこちらから

*畑には行けないけれど「食べて支援!」という方も一読ください!

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