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職人醤油はたのしいしょうゆ

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職人醤油はたのしいしょうゆ

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#007 / 職人醤油

PHOTO & TEXT / JUNYA KATO(DAYZ.)

いまの自分が『食』について語るのはおこがましいような気がするので、ここではあくまで『楽しむ』っていうのを前提にしますね。つまり『楽しく食べる』ことの前であればお金持ちの美食家も、ホームレスも、おとなもこどもも、ぼくもあなたも平等ですし、『食』をテーマにするよりは少しだけ話し合える気がします。そしてなにより今回の記事が、すこしでもおおくのひとの『食の楽しみ』『えらぶ楽しみ』につながればいいなあという想いも込めます。

まずは食材。おいしいならなんでもいいじゃん! も楽しいけれど、
せっかくならば食材もちょっと気にしてみます。できるだけ新鮮な方が楽しい。肉や魚ならばついさっきまで山や海で生きていたのが食べていて楽しい。野菜ならばさっきまで畑にいたものが楽しい。土や虫も食べちゃうくらいがいい。そのためには水や空気がきれいな方が楽しい。食べる環境が、それが獲れたところならばもっと楽しい。

友達や恋人と食べれば楽しみは何倍にもなる。煮込んでみたり、焼いてみたりしたってその楽しさは何倍にもふくらむ(生で食べるのも楽しいけれど、お肉を生で食べることが、まるで食文化を否定するでもかのように法律で禁止されて、本当につまらない) おいしいソースをかけるのも楽しい。おいしいソースの選択肢はたくさんあればあるほど楽しい。どんな食材を、どう料理するか。どのソースがどんな食材のどんな料理に合うのか知っていれば、きっともっと楽しい。そんな時はソースの種類だけじゃあなく、そのソースの味やベストな組み合わせを知っていれば、数式が解けた時みたいに楽しい。楽しくなるためにはソースが大事とも言えるのではないでしょうか。最後にかけるソースがぜんぜんおいしくなかったら、ぜんぶ台なしですよね。

今回は、そんなぼくらの『食』を、楽しくしたり、つまらなくしたりする日本のソース『しょうゆ』の話。

まるでしょうゆのセレクトショップ
五感でえらんだ「こだわりのしょうゆ」

まず、誰の家の食卓にも、昔から、いつでもあたりまえのようにそこにあって、もはや気づかないくらいの頻度でぼくらが毎日毎日くちにしている『しょうゆ』という日本特有のソースが、こんなにもぼくらを楽しませてくれることに感動すら覚えるのです。

今回取材させていただいた群馬県前橋市にある『職人醤油』は、日本全国の『こだわりのしょうゆ職人』に会いに行った代表の高橋万太郎氏が、自らの目と耳と舌で感じてきた、数々の『おいしいしょうゆ』を取り扱う、いわば『しょうゆ』のセレクトショップ。店内には70を超える日本各地の『しょうゆ』が立ち並び、360度『しょうゆ』に囲まれる様子は、まず圧巻。そして、そのひとつひとつにフォーカスしていくと、それぞれのしょうゆに『個性』があり、知れば知るほどワクワクしてくるのです。例えば、大きく分けると都道府県。自分の地元のしょうゆを探すだけでも、まるでひとつのエンタテインメント。

しょうゆの『味』の違いに対する驚きと
探したい『欲求』を満たすラインナップ

次に『しょうゆ』は、地域性や製法によって6つの種類に分かれます。白・うすくち・甘口・濃口・再仕込・たまり(ざっくり言うと九州のしょうゆは甘いとか、関西は色がうすいとかそんな話なのですが、この説明は、職人醤油のサイト にて、とてもわかりやすくていねいに説明されているので、こちらを参照いただき、話はつづきます)

さて、そうなってくると、まず『しょうゆ』ってそんなに違うの? っていう『?』と、口に入れた時の驚き、そして自分の味覚にあう『しょうゆ』を探したい欲求が湧いてきます。このあたりで編集部ひとりひとりが、それぞれのしょうゆセレクトタイムに導かれるわけですが、お刺身をおいしく食べるしょうゆ、煮物をおいしく仕上げるためのしょうゆ、たまごがけごはんなど、ある特定の用途に秀でたものも含め、さまざまな食卓のための『しょうゆ』が並んでいます(もちろんそれらは オンラインで購入可能!)。

日本人に欠かせないもの
職人醤油が生まれた理由

万太郎 … 地域に根付いた伝統産業に関わる仕事をしたくて会社を辞めて、何からはじめればいいかな? と思ってたところでたまたま嫁も同じタイミングで仕事をやめて、時間だけはふたりともたくさんあるなってことになって、新婚旅行を『マーケティングの旅』として、海外ではなく国内旅行を選んだんですよね(笑) 100万円で1週間しか海外に行けないなら、同じ金額で日本中を3ヶ月かけてまわった方が楽しいんじゃないかなって思って、いろんな伝統的なものづくりをしている方たちに会いにいったんですよね。で、職人の方たちって決まって同じことをいうことに気づいたんですよ。「つくっているものに自信はあるけど、売れない」って。その時にずっと営業職をやっていた自分の立ち位置があるのかな?って。そこで、300種類くらい見た伝統産業の中から、自分の中でいいなって思ったのを絞っていったんですよね。まず大事にしたのが、「日本人に欠かせないもの」。

『わからない』だけでは終われない
日本中の『しょうゆ』をめぐる旅

あとは消去法なのでつまらない話なんですけど、売り先が決まってるわけではなかったので、生食品や高級品は避けました。日持ちがして、価格がある程度やすいとなると醸造品、つまり『しょうゆ』や『みそ』かなって思って。お酒や蕎麦もいいなって思ったんですけど、調べれば調べるほどライバルが多いんですよね。じゃあ中でも消費数やメーカー数が減ってる『しょうゆ』ならライバルが少ないかなって(笑) そこから今度はしょうゆ職人に会いに行く旅がはじまるんですね。『しょうゆ』はやめとけっていろんなひとに言われたんですけど、逆にありだなって。営業の時の経験を活かして、まずは30件まわろうって思ったんですよね。そうすると、おいしい『しょうゆ』に出会う前に、コミュニケーションを通じて『しょうゆ』の知識がつくんですよ。それで、スーパーや百貨店のしょうゆコーナーに行ったら『わからなかったんですよね』、並んでいるしょうゆの違いが(笑)

さいごに

これだけしょうゆ屋をまわったのにわからない。じゃあ、しょうゆのことって、たぶんだいたいのひとが知らないし、どれを選んでいいかわからない。そして、実際に口にしてみないとわからない。ならば、少しでも多くのひとがしょうゆを『選んで』『楽しめ』るように、おいしいしょうゆを作っている職人のひとたちに「小瓶に詰めて」と、お願いしてまわる。理にかなったそのひとつひとつの『ひと』と『ひと』のコミュニケーションの積み重ねが『職人』と呼ばれるひとたちの信頼を得て、協力者が少しずつ増えていく。その積み重ねで作られたブランドが、地域の伝統産業ともいえる『しょうゆ』の文化を支え、ぼくらに新しい『しょうゆ』というソースの楽しみ方を提案してくれています。

職人に対して、味や売り方はもちろん、ラベルのデザインやコンサルティングにはいっさい口を出さない職人醤油。それは職人たちによる『しょうゆ』という文化への敬意であり、温故知新としての『しょうゆ』業界への次への新しい一手。ぼくらの世代の『エネルギー』が、ひとつ上の世代のモチベーションとなり、ぼくらの『食卓』や『文化』へ循環していく。

ぼくらがこうして、たくさんの『しょうゆ』を楽しめるのは、職人の想いが届くから。テーブルに置かれた今までのしょうゆを見つめながら、ぼくらは楽しくおいしい日本の未来をかんがえるのでした。

職人醤油

職人醤油

〒371-0013 群馬県前橋市西片貝町5-4-8
TEL:027-225-0012 / FAX:027-225-0013
営業時間:10:00~18:00(定休日:毎週月曜日)

WEB:http://www.s-shoyu.com
MAIL:info@s-shoyu.com

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