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おいしいだいずをつくりましょう

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でいずのだいずができるまで その1

おいしいだいずをつくりましょう

#010 / 神奈川県南足柄市

TEXT & PHOTO / JUNYA KATO(DAYZ.編集長)

おいしいだいずでくらしをゆたかに。この言葉を掲げて2年経ちます。手前みそだけれど、ぼくや、ぼくのまわりは少しずつよくなっているように思います。おいしいものを積極的に選ぶようになって、テーブルまわりはだいぶゆたかになりました。好きなレコードや本を選ぶかのように、しょうゆやみそ、とうふやなっとうを気軽にえらんで、楽しんでいます。決して大きな変化ではないし、目に見えたゆたかさではないけれど、体にも気持ちにも、ちょっとだけいいように思います。最近では、出会った生産者の方々や、いろいろな産地に想いを馳せて、みんなとお酒を傾ければ、なんだか旅行でもしたかのような気分になります。実際にみんなで旅行もたくさんしました。一緒にうたって、踊ったりもしました。ここでいう「みんな」っていうのは、2年前、だいずの畑に集まって、一緒にだいずづくりをした「みんな」のことです。一緒に汗かいて、泥まみれになって、へとへとでも励ましあったみんなのことです。

2年前、埼玉県と群馬県の境にある街で行われたぼくらのだいずづくりは、結論から言うと『失敗』に終わりました。1からみんなで種を蒔き、それから何度も何度も通って手塩にかけて、途中で食べた枝豆はとてつもなく絶品で、これならきっとおいしいだいずが取れる、と誰もが確信したかのようでした。みそにしよう、とうふにしようと、みんなワクワクしてました。とても広く大きな畑。遠くで焼ける秋の夕暮れを見ながら、このおいしいだいずを DAYZ.として日本中に届けるぞ、と、ぐっと誓ったのを覚えてます。でも、残念ながら収穫しただいずは、ぼくらと農家さんをつないでくれた『仲介者』がみんな持って行ってしまいました。ぼくらのコミュニケーション不足のせいだったと思います。ぼくらが「育てたはず」のだいずは、1キロ1500円で買いなさいと言われ、それでは全く最初と話が違うので、買いませんでした。欲しくなかったわけではありません。悔しくて悲しくて虚しくて、気付いたら手が出ませんでした。

畑に集まったみんなと
おいしいだいずの再挑戦

だいずは手元に残らなかったけれど、たくさんのものを得たと思います。農業という体験はもちろん、生産者と同じ景色を見たことで、食べ物を大切にしようと思うようになりました。畑に流れる水はきれいであるべきと思うようになりました。そして、畑の上で汗水ながしてがんばったみんなとのつながりがいちばん大きいです。ときどき、名前も知らなければ、年齢も職業も知らないひとたちが、畑の上に集まりました。農作業を通じて、また畑で行うバーベキューを通じて、汗を流した温泉を通じて、仲良くなっていくんです。力持ちかどうか、効率的かどうか、作業がていねいか、と、畑の上で求められる能力はとてもシンプルで、それに「おもしろいやつ」なんてのも重宝されて、まるで中学のクラスみたいに、畑の上では、肩書きなんて関係ないんです。そうしてつながったみんなと、2年間あそんだりしごとしたりして、やっぱりどうしても、また、だいずづくりに挑戦したいと思うようになりました。

ずうっと続いていく
あたらしい畑を探して

東京には空いている土地があまりないので、ぼくらが自由にだいずをつくれる環境はなかなか見つかりませんでした。例えばお金を払えば借りれる畑はあります。週末だけ農業体験ができるようなところです。ただそれではちょっと違うというか、けっしてお金をケチっているわけではなくて、ぼくらの意図する農家さんと消費者の関係とは違うような気がしました。ぼくらには、生産者と消費者を、だいずづくりを通じて、まっすぐつなぎたいという想いがあります。まっすぐというのは、利害関係ではなく、気持ちや長さのことです。ずうっと続く関係です。そうすることで、だいずだけではなく、農業を通じて、よりおいしく食べることや、日本のカルチャーとしての農業や食を守ることや、自分たちの身の回りのことなどを楽しみながら考えていければと思います。すこしおこがましい気もしますが、その土地も町もひとも盛り上がるような、せめて、と思うと、誰でもお金を払えば体験できる農業とはすこし違うような気がするんです。

たくさんの畑やたくさんの草花
自然に囲まれたちいさなペンション

すこしだけ話が変わります。去年の秋に、だいずの畑でなかよくなったみんなで旅行をしたんです。その時に予定していた宿の予約がいっぱいで取れず、すこしだけ離れた山の中のペンションに泊まることになりました。自然に囲まれた古民家風の、どこか懐かしさを感じるようなペンション。秋は紅葉を楽しめて、晴れた日の夜は満天の星空。夏なら近くの滝で遊んだり、釣りやバーベキューをしたり。小道の石垣。向こうに見える山。段々畑のみかん。いろいろな草花。そこで獲れた野菜で作られたおいしいおいしい朝食をいただいたあと、みずみずしい空気の中でペンションのまわりを散歩している時、こんな素敵なところでみんなでだいずを育てられたらなあと思いました。そして帰り際、ペンションの店主にずうずうしくも「余っている畑はありませんか?」と聞いてみました。「ある」とのことでした。「だいずを育てたことがないから、チャレンジしてみたい」と、ペンションの店主は言ってくれました。

東京から1時間とちょっと
南足柄へのショートトリップ

旅先は神奈川県の南足柄市というところでした。あまりピンとこない方もいるかもしれませんが、南足柄は箱根の北に位置します。車なら東名高速で1時間とちょっと。もしくは、新宿駅でよく冷えた缶ビールを買って、ロマンスカーに乗り込みます。ほろ酔いでうとうとしているうちに、窓の景色は、都会のビル群から、どんどん畑や山の景色になっていきます。1時間くらいで小田原駅に到着。天気がよければだいたいそこの売店で、小さなかまぼこと、もう1本ビールを買います。そこからさらに20分ほど大雄山線という電車に揺られて向かいます。市域の70%近くが森の南足柄市なので、次第に、のどかな町並みが車窓に揺れます。終着駅の大雄山(だいゆうざん)駅が、新しい『だいずづくり』の舞台です。『大雄山』ですって。おいしいだいずができそうな名前です。駅からまた少しだけバスに揺られ、山をのぼったところにペンション「まつが」があります。近いような遠いような、適度な「旅」感です。

おいしいだいずが
できますように

南足柄は森がたくさんあるだけではなく、水がとてもきれいなところです。足柄山から湧き出る湧水。町に流れる川。平成の名水百選に選ばれた「清左衛門地獄池」は、水が、にごりなく澄んでいるので、鯉がまるで空中を泳いでいるかのようです。

ペンションまつがさんに紹介してもらった「新しい畑」は、水のきれいな川の横にありました。あたたかくなれば、川で水遊びもできそうです。作業が終わったら山を散策したり、おいしいものを食べたり(のんびりジビエを食べながらワインなど)ほろ酔いで帰りたくない人はペンションに泊まっていけばいいですから。

4月5月と、田んぼだった土地を耕して、水はけのいい畑に変えていきます。畝(うね)というものを作らないといけないみたい。5月か6月にはみんなで種まきをしたいなあ。夏までに月に1度、途中経過を見に行きます。除草をしないといけないですからね。そのあとは枝豆の収穫です。秋にかかったら、だいずの収穫です。音楽なんかを鳴らしながら、踊るように楽しみたいですね。DAYZ.では、その様子をドキュメントで紹介していきたいと思っています。今日はそのはじまりのレポートでした。

おいしいだいずができますように。

DAYZ.のだいずづくり
スタッフ募集してます

DAYZ.のだいずづくりでは、畑の作業はもちろん、関連イベントの運営を手伝ってくれるボランティアスタッフを募集しております。まだゼロの状態です。なので、まずは1から、みんなで、より楽しむためのアイデアを一緒に考えて行動できるひとを探しています。農作業やったことない。だいずのことあまり知らないっていうひと、大歓迎です。スタッフの方は南足柄への交通費・ミーティングやイベントでの飲食費は免除させていただきます。興味ある方、気軽にお問い合わせください。
info@dayz.today(加藤)

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